「かる(刈る)、きる(切る)、くる(刳る)、こる(樵る)」(042)

 

    |  和語        |  琉球・沖縄語     |  アイヌ語        |

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 か  |かる(刈る)      |かゆん、かるん(刈る)  |か、から(刈る)      |

    |            |             |ちゃ/ちゃちゃ/いちゃ(切る)|(k-C)

 き  |きる(切る)      |ちゆん、ちーん(切る)  |ちし/ちしちし(削る)    |(k-C)

 く  |くる(刳る)      |ゐーぐゆん(ゑ刳る)   |              |

 け  |け(削)-けづる(削る)|             |け、めむけ(刈る、剃る)   |

 こ  |こる(樵る)      |             |ほせ(立ち木を伐る)    |(k-h)

    |            |             |              |

 断ゆ |            |             |とぅyi(切断する)     |

    |            |             |              |

 

 

 日々の生活に欠かせない刃物による切断、裁断、切削作業を言うカ行縁語群である。和語、琉球語、アイヌ語の三姉妹語に揃ってよく保存されていると言えるであろう。これらがカ行語であるのは、大昔、岩の上に置いた草や肉を石刃で切るときの石と石が当たる乾いた音を模しているのかも知れない。

 

 アイヌ語の”切る”の意の常用語である「とぅyi、とぅye、とぅyiぱ」に相当する和語は「たゆ(裁ゆ、絶ゆ)」が思い当たるくらいであるが、当たっているかどうか。

 

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か(刈)-かる(刈る)-からる(刈らる)-かられる「草を刈る、髪を刈る」

き(切)-きる(切る)-きらる(切らる)-きられる

く(刳)-くる(刳る)~ゑぐる(ゑ刳る)

け(削)-けづ(削づ)-けづる(削づる)

こ(樵)-こる(樵る)「きこり(木樵)」

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た(断)-たつ(断つ)

    -たゆ(絶ゆ)-たやす(絶やす)

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以上