「いら/いり/いろ(同母)」(045)

 

    |  和語       |  琉球・沖縄語    |  アイヌ語          |     |

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 いら |いらつきみ、いらつこ |            |                        |

    |いらつめ、      |            |               |

 いり |いりひこ、いりひめ、 |            |いりわく(兄弟姉妹)、いりわは(従兄弟)|

    |           |            |いりwuから(身内、血縁者)  |

 いろ |いろと、いろね、いろは|            |いろっかよ(男兄弟)     |

    |いろも、いろye/いろせ |            |               |

 

 

 上記の和語「いら、いり、いろ」は、諸辞書によれば、親族関係を言う語の語頭について「同母」の意を表すということになっている。母親を同じくするということである。これら”同母”を意味するという「いら、いり、いろ」とはどのような語か。

 

 アイヌ語では「いりわく」が「兄弟姉妹」の意味で広く使われているという。特に男女を言い分けるには「おっかよ-いりわく(男兄弟)」「めのこ-いりわく(女兄弟-姉妹)」と区別する。この「いり」に「同母」の意味があるのかどうか、「わく」の意味は何か。

 

 これら「いら、いり、いろ」は、和語、アイヌ語の前身に当たる原始日本語よりもたらされたものであることは明らかで、日本人の生活や社会を説明する鍵になる語のひとつであるであろう。

 

以上